二枚貝調査 続き

 

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前項の二枚貝調査の続きです。

前回は、〜1.5m位までの海底の二枚貝の生息数を調査しましたが、今回はさらに深い場所での生息数調査です。

潜水をして調査を行いましたが、水中では浮力がはたらき体を固定することができないため、大きなジョレンを使うことができず、片手で使う小さなジョレンを使って砂を掘ります。

この調査方法では作業範囲がとても狭く、効率が悪いので、成果はあまり期待していなかったのですが、大型のチョウセンハマグリを見つけることができました。

写真のチョウセンハマグリは殻長109mmで、重さも300g近い大型のもので、この大きさになるには7年以上はかかるだろうと推測しています。

今回の調査では、この海域で長く生息している二枚貝が見つかったこと、低密度ながら全ての調査地点で二枚貝が見つかったことから、資源量としては少ないが、この海域で再生産ができるサイクルがあるということがわかりました。

今後の資源動向に関しては、まだわかりませんが、過去には大量の資源があったことがわかっていますので、今後、定期的に同様の調査を行い、比較検討していきたいと考えています。

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二枚貝調査

 

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出雲市湖陵町の砂浜で二枚貝の生息調査を行いました。

砂浜でジョレンを使って、二枚貝を探していきます。

写真1は数人が10分程度ジョレンを引いて獲った二枚貝類です。

この量だと資源量は多いとは言えませんね。

地元の人の話を聞くと、昔は、足で砂を掘ったらハマグリが見つかるほど、簡単に獲れ、量も豊富だったそうです。

磯焼け調査の時にも同じような事を言われましたが、昔からの海の様子を知っている人たちは、海は変わってしまったと言います。

話は変わりますが、先日、愛媛県の高校生が、クマノミがイソギンチャクに刺されないのはなぜか?と、いう疑問に関して、その謎を解明したということが話題になりました。

私は、クマノミの仲間には思い入れがあって、この研究はとても興味深いのですが、なにより、高校生の若い研究者がこういった成果をだしたということに感心しています。

海の環境変化について、今は具体的な原因の究明や、改善案はまだないのですが、こういった若い発想が社会の難問を解決することがあるかもしれませんね。

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ヒラメ試験採卵

 

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こんにちは。栽培漁業センター技師の升谷です。

現在、ヒラメ種苗生産に向けて試験採卵を行っています。
試験採卵とは、親ヒラメが種苗生産に必要な量の卵を産んでいるか確認するために行うものです。


今日は、この試験採卵について少しお話したいと思います。


試験採卵は1月12日から行っています。試験方法は採取した卵の中から受精卵と思われる卵を選別し、卵量、卵の状態を調べる作業です。採取した卵量はまだ少量ですが、卵の顕鏡を行ったところ、受精卵を確認しました。


写真は採卵後24時間後の受精卵と採卵風景をカメラに収めたものです。




カサゴ放流

 

 

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隠岐諸島近海で、カサゴ種苗を放流しました。

荒天のため隠岐━本土間フェリーが欠航したので、放流が1日遅れてしまいましたが、活魚車の中のカサゴはとても元気で、長旅の疲れも少なく飛び跳ねていました。

夏場程水槽の温度に気を配らなくてもいいので、運搬自体は比較的安心です。

しかし、放流した日は日本海側を中心に真冬の寒さに見舞われた12月初旬、頭上では雷鳴がとどろき、霰がふきつける中での作業でした。

放流している時はとても天気が悪かったですが、帰るころには雨はやみ、虹が見えました。

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ウナギ放流

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ウナギの種苗放流は、水産振興協会の事業としては数少ない内水面漁場での仕事です。

ウナギは1970年ころから漁獲量が減少し、現在では環境省レッドリストに記載されている絶滅危惧種です。

松江市では中海の沿岸でウナギの放流を行っています。

ウナギは7月後半の「土用の丑」の日に食べる習慣がありますが、これは、ウナギが夏バテ防止や、疲労回復のために効果のあるビタミンやミネラルを豊富に含んでいるからです。

この習慣は、江戸時代に平賀源内が考案したとされるキャッチコピー「本日丑の日」を、うなぎ屋の店先に貼ると、その鰻屋は大変繁盛したことから、他の鰻屋もそれを真似るようになり、鰻を食べる風習が定着したとされています。

「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習は以前からあったそうですが、夏バテで食欲のないときでも食べやすい「うどん」や、新陳代謝を活発にするクエン酸が夏バテ防止になる「梅干し」を食べる習慣は今ではほとんど見られなくなりました。

ウナギは、冬眠に備え養分を蓄える秋〜初冬にかけての時期が旬であるため、夏場に味の落ちるウナギを、夏の風物詩として定着させた、平賀源内のコピーライターとしての発想力は素晴らしいですね。

また、現在のウナギ放流では、放流用ウナギを卵からふ化させ、稚魚を大量生産する技術が確立されておらず、放流用種苗は川を遡上してくるウナギの稚魚を育成しています。

このため、島根県内の河川、湖等の内水面での漁業、遊漁については、全長30cm以下のウナギの採捕が禁止されていますので、注意が必要です。

違法採捕はゼッタイに、ダメよ〜ダメダメ!

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